休業補償給付と傷病手当金の違い
2026.02.27
最近、「働けなくなったときの給付で、労災の給付と、健康保険の傷病手当金とは、何がどう違うのですか?」とよく質問されることがあります。
今回は、労働者災害補償保険(以下、労災保険)の休業補償給付・休業特別支給金と健康保険の傷病手当金の違いについて、綴らせて頂きます。
【休業補償給付・休業特別支給金】
労災保険の給付です。業務上災害と通勤災害による怪我や病気が対象です。
労働基準法第12条の平均賃金の80%が給付(休業補償給付60%、休業特別支給金20%)されます。罹災して、最初の休業期間の3日間(通算)は待期期間となり、給付はされず、休業4日目以降から給付の対象となります。
・業務災害の支給要件
その病気やケガについて、仕事中に発生していること。
労災として認定されるには、業務起因性と業務遂行性の二つの要件を満たす必要があります。
業務起因性とは:業務が原因となったということであり、業務と傷病等の間に一定の因果関係があること。
業務遂行性とは:労働者が労働契約に基づいて事業主の支配・管理下にある状態であること。
・通勤災害の支給要件
通勤途中(通勤とは居所と事業場の往復をいいます。)に発生した病気やケガであること。通勤を逸脱してしまっていてから罹災した場合は、対象となりません。但し、日用品の購入などで逸脱して、また通勤に戻ってからの罹災は、認められると言われております。
簡単に言うと給与のおおむね80%が受給できます。
給与30万円なら24万円程度です。
【傷病手当金とは】
健康保険の給付であり、業務上災害と通勤災害以外の怪我や病気で働けない場合に対象となります。同一傷病及び類似傷病について、通算1年6カ月、受給することが出来ます。また働けなくなった日から連続した3日が待期期間となり、4日目以降から給付の対象となります。
給付される金額は、標準報酬月額の1年間の平均金額の67%です。
※被保険者期間1年未満の場合は、①支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均、または②標準報酬月額の平均値32万円、①また②の低い方の金額となります。
簡単にいうと、月の給与の概ね67%、給与30万円の方なら20万円程度、月当たり受給できます。
労災でも健康保険でも、療養のため、働くことが出来ないと、医師の証明を受けた期間について、暦日数に対しての給付となりますので、受給できる金額は、その月により変動します。
まとめ
労災保険の業務上災害は、業務起因性と業務遂行性により業務上の災害か否かを判断されます。通勤災害は、通勤の途中であるか、逸脱中ではないか、が通勤災害となるか、否かの判断となります。
健康保険については、業務上災害や通勤災害ではない、私傷病であるかが、健康保険の対象か否かの判断になるといえます。
但し、第三者行為災害の場合には、原則としては、第三者に請求することになりますので、このような場合には、労災保険の対象であれば、管轄の労働基準監督署、健康保険の対象の場合は、協会けんぽの支部、もしくは健康保険組合の場合にはその健康保険組合に、お問い合わせいただくのがよろしいかと思います。
また、社会保険労務士は、労災保険の請求や、傷病手当金の支給申請について、作成提出代行として、手続きが出来ますので、勿論、社会保険労務士にお問い合わせいただいてもよろしいかと存じます。
| 【比較まとめ表】 | ||
|---|---|---|
| 項目 | 休業補償給付 (労災保険) |
傷病手当金 (健康保険) |
| 対象 | 業務災害・通勤災害 | 業務・通勤外の私傷病 |
| 給付額の目安 | 平均賃金の約80% | 標準報酬月額の約67% |
| 待期期間 | 3日間(通算) | 3日間(連続) |
| 支給期間 | 療養が治癒するまで ※症状固定 |
通算1年6カ月 |