休職の制度ってウチの会社にありますか?
日々、お客様の労務相談に対応しておりますが、私傷病の休職についてのご相談が非常に多く、「休職の制度ってウチの会社にありますか?」とよく聞かれます。今回は、休職に関して、説明させていただきます。
休職は法律の定めによるものですか?
休職とは、法律で定められているものではありません。使用者が就業規則に、任意に規定するものになります。よって、休職制度の有無や内容は会社毎に様々です。
職場にございます就業規則に休職の制度があるか確認しましょう。
休職とは
休職とは、就労が出来ない理由があり、一定の期間について、本来、労働しなければならない義務を免除する制度のことです。
一般的に次のような理由が考えられます。
①私傷病による欠勤が長引いた場合
②私傷病により欠勤を頻繁に繰り返す場合で休職が必要と会社が認めた場合
③出向している期間
④公民権を行使した場合、選挙に立候補する等
⑤刑事事件で起訴された場合
⑥その他、本人から申出があり会社が認めた場合
※例えば、ワーキングホリデー、長期の海外旅行など
特に多いのは、①の私傷病休職の制度になりますので、その意義と目的としては、精神、身体が業務に耐えられない等の理由により勤務出来ないことは、一般的に労働契約上の債務不履行により普通解雇事由に該当しますが、「解雇猶予」の期間として休職制度を設けていると解されております。
休職の期間は?
すべて会社が定めた規定によります。期間についても会社毎に様々です。
例:中小企業 2カ月、3カ月、6カ月、長くて1年など
例:大企業 6カ月、1年、1年6カ月、2年など
※勤続年数や役職により区分して規定する場合もございます。
期間が長ければ長い程、会社は社会保険料の会社負担分を支払い続けることになります。
なお、休職期間に入る前に1~2カ月程度の欠勤期間を経てから休職となる規定が多くみられます。
休職期間満了後、復帰できない場合
自然退職となります。この自然退職は、会社都合扱いにはならず、当然に退職したことになります。退職の種類としては、死亡退職や定年退職と同じ取り扱いです。
※なお、業務上の災害の療養中及びその後30日間は労働基準法における解雇制
限により、休職期間満了退職とはなりえません。
休職の実務
会社の人事担当者が、休職について、従業員に問い合わせされた場合は、就業規則の休職の規定を確認してもらい制度を説明します。
実際に休職になるケースが発生した場合、休職命令書や休職辞令などを交付して説明します。休職開始にあたり、書面を交付していない場合、休職期間が明確にならないなどトラブルの元になりますので、必ず書面による交付をお勧めいたします。
・休職の期間
・休職中の給与の取り扱い
・社会保険料及び住民税の支払い方法
・休職中の会社への健康状態の報告義務
・復職する場合の手続き
・休職期間満了し復職できない場合は退職になること
復職の可否の判断
復職の可否については、以下について、確認の上、会社が判断することとなります。
・診断書の内容
・従前業務への復職が可か、従前業務への復職が不可の場合、配置転換の可能な
範囲の確認
・リハビリ勤務対応についての会社の制度状況
まとめ
休職は法律上の義務ではなく、あくまでも会社毎の就業規則に定める制度のため、会社毎に会社の方針や規模に応じた内容で、就業規則に規定することが、重要です。
休職制度の導入、見直し等ございましたらお気軽にお問い合わせください。